犬の健康管理のための、病気の症状・病名などをあげてみますので、思い当れば病院にご相談ください。

血便血尿がみられたら

<症状>
下痢・血便の症状が見られたら、便の色や状態を見てみましょう。血液が混じっていたら要注意。
血液が混じっていたら、上部消化管(胃・十二指腸)からの出血の疑いがあります。

<病名>
腸炎、胃炎、食中毒、イヌ伝染性肝炎、ジステンパーなどが疑われます。

水をよく飲む

<症状>
以前と違い、気温や環境に関係なく、異常に多くの水を飲むようになったときも注意しましょう。

<病名>
甲状腺機能亢進症、腎不全、糖尿病、子宮蓄膿症などの疑いありです。

食欲がない

<症状>
食事をほとんど食べなくなった、元気がないと感じたときも病気が疑われます。
水を飲まなかったり、嘔吐や下痢を伴うなどの症状があれば注意してください。

<病名>
歯周病、胃腸炎、寄生虫になどによる感染症。
腹腔内腫瘍、肝臓や腎臓などの内臓疾患などが疑われます。

犬の日常・行動でみる健康管理

食欲・食事・・・
食事量、飲む水の量でもわかります。量の増減・頻度もチェックしましょう。

便・尿の状態・・・
血尿・血便は見ただけでもわかりますが、回数・頻度のチェックもしておきましょう。体内の異常が便などに出たりします。

ささいなしぐさ・・・
やたらかゆそうだったり、痛そうな歩き方、呼吸が荒かったり。いつもと違っていたら要注意です。

寄生虫に注意しましょう

犬に寄生するマダニは血を吸うことで、いろんな病気を媒介します。
犬に寄生するマダニは人に病気を媒介することもあり家族のみなさんの注意が必要です。

1匹の寄生だけでは貧血の大きな被害が起こる可能性は低いですが、多数寄生したり、あるいは繰り返し寄生することがあれば場合によっては貧血を起こす場合もあります。

ダニ麻痺を起こすダニは日本での発症例はありませんが、何らかのルートで日本国内に入る可能性もあります。

外国から輸入されることも増えていますのでちゅういしましょう。
ダニは吸血するときに神経毒を注入し、ふらつき・歩行困難・呼吸困難などの神経症状を引き起こすことがあります。


バベシア原虫がダニを介して犬の体内に侵入し赤血球に寄生・破壊することで重度の貧血を起こす犬の病気です。
病原菌になる原虫をダニ(フタトゲチマダニ、クリイロコイタマダニ、ヤマトマダニなど)が媒介します。

<症状>
発熱・黄疸・重度の貧血・脾腫・ビリルビン尿などが典型的な症状で治療が遅れると亡くなることもあります。

<治療>
治療は抗原虫薬や抗生物質などが中心になります。臨床症状に合わせて点滴などの対症療法も必要です。


ライム病

ライム病はボレリア菌の感染で起こる病気でダニが媒介する人の病気です。人獣共通感染症で日本でも発生の報告があります。

<症状1>
初期ではダニにかまれた部分が数日から数週間後に丸く赤くなります。筋肉痛、関節痛、発熱、頭痛などの風邪のような症状がみられることもあります。

<症状2>
次の症状として全身に病原体が運ばれ皮膚の発赤、神経症状、心筋炎、心内膜炎、角膜炎、関節炎などの症状が現れます。

<症状3>
晩期には数ヶ月~数年後、心筋炎などの心疾患、角膜炎などの眼症状、重度の慢性関節炎、慢性脳脊髄炎、慢性萎縮性肢端皮膚炎などがみられるようになります。

<治療>
治療は抗生物質が有効ですが症状は上記のように重いのでダニに刺されないように予防しましょう。マダニの活動期は春~初夏、秋なのでこの時期に野山に入る場合は肌が露出しないようにしましょう。

軽微な服装、草むらや藪にむやみに入らないことが予防にもなります。
万が一刺された場合は感染を増長する場合がありますので、皮膚科を受診しましょう。